1985年4月9日に、当時の北村知事が、青森県議会全員協議会(議決機関ではない)で核燃受け入れを決めたので、それ以降、毎年抗議の集会を開催しています。昨年と今年は、コロナの影響で開催できません。
告知:青森市で、新型コロナの感染者が出たことにより、2021年の「4・9反核燃の日全国市民集会」と「4・9反核燃の日全国集会が」中止となりました。
4月9日の要請文提出行動、4月11日の再処理工場前現地抗議集会も中止となりました。コロナ対策を考えて、全国集会と現地抗議集会のウエブ配信までも準備していましたが、集会そのものが中止となりましたのでので、お知らせします。
今年、皆様より頂いたの賛同金は、「4・9反核燃の日全国市民集会実行委員会」で協議して、有効に活用させていただきますので、ご了承ください。21年4月1日 エイプリルフールではないよ。
最近の変化について
文責:山田清彦(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局次長)
使用済MOX燃料再処理? 既に報道されているが、原子力小委員会が3月22日開催され、国の方から 2030年の後半に向けて使用済MOX燃料再処理を行う研究を進めたい旨あった。昨年既に7億円の予算がつき、今年は10億円と言っておりますが、これからどんどんと金額が増えていくものと思われる。だが、可能性ということから言うとかなり難しい研究である。フランスでは40t、日本でも30tの実績があると豪語してるが、実験室規模であって、いわゆる商業規模として成り立つかどうかはかなり難しい話だろう。
MOX燃料そのものについての見方も、海外と日本では違うようである。いわゆる核兵器に転用できるプルトニウムをそのまま置いておけば盗取されてしまうから、これに汚れた回収ウラン等などを入れて、盗取されないようにするという発想が海外ではあるんだそうだ。日本の原子力推進側はその事実を隠して、再処理する建前上、MOX燃料は使えると言っているに過ぎない。
そこで、フランスの40t、日本の30tとも再処理したのだから、そこから取り出したプルトニウム、回収ウラン、核のゴミはどのような形で処分したか等のデータを明らかにすることを私達が求めていく必要があるのではないだろうか。
このような無謀な研究を行う背景については、一部の報道によると、日本が余剰プルトニウム抱え込んでいるので、こういう形で示さないと将来的に世界から疑いを持たれる。「なぜプルトニウムそんなに持ってるんだ日本は。核兵器でも作りたいのか」と言われかねない状況を考慮して、こういう研究もして、商業的に使うんですということを海外に示したいだけではないか、という分けかもしれない。
まあそういう意味で、この予算の規模の7億円、10億円という端金でも、「余剰プルトニウムを核兵器に転用するんじゃないか」という疑いを払拭するためには、商業規模で成り立つ必要がなく(研究成果が求められない)、研究に取り組む姿勢を海外に見せるだけに役立つということだろう。
使用済燃料貯蔵容量拡大? 同じ原子力小委員会の中で言われていたが、現在約2万4千tの使用済燃料貯蔵能力があるが、これを将来的には3万tまで増やしたいという話があった。
この思考の発端は、六ヶ所再処理工場が約24年も運転停止だったから、あちこちの原発で置き場に苦労した挙句、中間貯蔵施設まで用意する羽目になっているという、恨み節が根っこにあるように思う。
もし六ヶ所再処理工場がこの間に運転出来ていれば、単純計算だが、800トン×24年で、19,200tが再処理されていた筈で、日本中の原発の使用済燃料貯蔵プールは空っぽになっていたかもしれない。もっとも、192tのプルトニウムを抱えた日本は、海外から厳しい外圧を受けていたことが予想されるし、福島原発事故で放出された莫大な放射性物質の大きさが気にならないほど、大量の放射性物質を海洋・気体で発生していて、青森県産品の農林水産品が消費者からそっぽを向かれているという現状であったかもしれない。そうならいだろう(再処理が成功しない)ということで、貯蔵プールを増大するというのは、「敵ながら天晴れ」の発想とは言えるかもしれない。
その上でだが、東京電力がやらかしたIDカードで他人に成りすましたとか、「安全対策工事やってないのに行ったことにした」とか、以前日本原燃がやったような「漏水対策してないのにしたよと報告」のと同じような感じがするが、これによって「運転停止命令」が4月の7日以降に決定されるかどうかという所である。「運転停止命令」が出ると、使用済燃料の移動が難しくなると更田原子力規制委員長が述べている。使用済み燃料をラック内の移動も含めて移動を禁止すると言ってる。ところが、3月31日の記者会見で東洋経済の岡田さんが質問「むつ使用済燃料中間貯蔵施設への搬出を制限するのか」に対して、「原則的には使用済燃料の移動は禁止にするけれども、核防護の観点でいくと、使用済燃料が同じ所に溜まっているよりは減った方が良い」という言い方をしているので、必ずしも 移動を禁ずるという風には断言していない。
むつ市長は相変わらず東京電力と日本原子力発電以外のものを受け入れないというのがその立場だが、東京電力から持ってこれないとなると、今度は日本原子力発電のものを先ず持ってこいとなるだろう。リサイクル貯蔵の方は2021年の後期に一体目を搬入するという計画を示しているが、これが成り立つのかどうか疑わしい。
現在、設計及び工事の方法の認可申請をしているが、出してくる資料に規制委員会が駄目を押していて、かなり厳しく叱咤・激励を受けている段階である。これで、補強工事の着手と完成、検査が整うとは思えない。それに経済界からは、使用済燃料の中間貯蔵と再処理は同じ頃に行うのが好ましいと言われた過去もあり、六ヶ所再処理工場の方が整わないうちに事業開始は難しいのではないだろうか?
使用済燃料再処理機構の決定 最近の使用済燃料再処理機構において発表した数字で行くと、再処理工場は2023年からプルトニウム製品の抽出を行う計画になっている。日本原燃は2022年上期完工で、その後運転開始するとしているが、約1300㎡の配管に貯まっている溶液からのプルトニウムと回収ウランの抽出、廃液の処理、約100㎥の高レベルガラス固化の実施を先に行ってから、せん断開始するという触れ込みである。つまり、現時点ではそれらのもの一切が再処理工場内部に貯まっている状態であり、運転開始以降に放射性物質等が環境中に拡大していることが考えられる。
MOX加工工場の方は2025年製品製造予定なので、運転開始時期は微妙なんですが、ここ1、2年でいよいよ大規模な環境汚染を伴う六ヶ所再処理工場が動くかどうかという瀬戸際です。彼らの計画を破棄させるために、再処理工場の恐怖と向き合わされる私達が知恵を絞る必要があります。
なお、原子力小委員会の席で日本原燃の増田社長が言ったが、406人の再処理工場運転員のうち、過去の経験者が55%だそうだ。多くは未経験者で、何かあった時に、対応可能かどうか疑わしい。
もっとも、各部署にはメーカー派遣の社員が相当多くいて、自分の会社の部品の管理(特許製品の技術を他者に盗まれないためにも)をしているので、日本原燃の社員より詳しい人がいるとは思いますが。
運転開始となれば、約30㎞離れた我が家で、毎日風向きを気にして生活しなければならなし、放射線測定器を抱えての生活になるのだろう。我が家の家庭菜園にもビニールシートを貼るか、缶詰だけを食べるようにするか、そんな不自由さを子どもや孫に強制させないための闘いを強化したい。 以上
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