日本原燃の事故評価が高木さんの評価とあまりに違いすぎるので、本当にこれで正しいのかなあと私は疑問に思っています。おそらくは嘘なんだろうと思います。蒸発・乾固した時、日本原燃は最初「セルの中は水につけてしまうので大丈夫」と言ってたのに、原子力規制員会から何度も問われて、ようやく「臨界が起きますよ、爆発が起きますよ、貯槽損傷も起きますよ」と言いだしたんです。日本原燃の方が言い出したんです。それで、もう一度この図を見てください。
ここが200度です。40度の温度差があってずうっと行ってここが1600度です。貯槽の容器はこっちです。乾固したものは貯槽の限界値を超えてしまうんです。ステンレスの容器でだいたい1500度から1600度で溶けますから。このような説明資料を出してくるということは、高レベル放射性廃液の入っている容器が溶けてしまいますよ、と言ってるわけです。溶けて大変なことになるんだよ、ということを言って、わざわざこういう図を出してきたのです。
そうなる前にセル内に作業員が入って、1時間30ミリシーベルト被ばくまで許容されるので、最大8時間くらい作業すれば240ミリシーベルトの被ばくになりますが、それで温度上昇を防ぐというつもりなのでしょう。
この1600度を超えるという図がたった1回の説明で出て、これは何も対策がされない場合なので、対策を取りさえすれば安全に収束できるので、「そんなことはありません」という説明に変わりました。その結果、原子力規制委員会の審査会合では、一番温度が高いところでも120度で「蒸発・乾固」と認定して対策を取りますという話にまとめられてしまった。
だから、2019年1月28日に示した資料では大変な事故になるという資料が出されたけれども、同じ日に対策を取れば、「蒸発・乾固」で再処理工場を運転停止するような大それた話にはなりませんという資料を出して、これが審査会合での合意になっているのです。
大きく変わったんです。これはすごいごまかしがあって、2019年の4月23日、さっき見せたのが1月28日なので、3カ月の間に、基準が大きく変わって、そんな大きな事故は起きないから大丈夫という話を一生懸命するように変わってしまったというのが、真相です。
ただし、事故対応への速さが求められるのは、やっぱり蒸発・乾固が上位を占めています。この対策が取れない場合は、もしかしたら日本国から「総員避難」という可能性が高いという事実を、少なくても再処理工場に反対する私達は肝に銘じておく必要があるだろう。
また、アクティブ試験終了後(日本原燃はアクティブ試験中という言い方をしているが)十数年間を経るが、高レベル放射性廃液の沸騰・爆発なり、環境への漏えいが発生しなかったことはたまたま偶然の産物であって、いつでも起き得たが起きなかっただけであることも知るべきであろう。
何しろ、まだ約211㎥の高レベル放射性廃液が残っていて、使用前事業者検査とか操業後の廃液等の処理の過程でガラス固化試験を強行する予定なので、その際に大地震等に見舞われたら、想像を絶する大災害に発展するかもしれない。
なお、高レベル放射性廃液を約358㎥貯蔵している東海再処理工場は、一昨年7月に運転停止したガラス固化施設を5月から運転するとしているので、そちらの方で順調にガラス固化出来るかに首都圏の方々の関心が高いと思うのだが・・・。
私たちがいかに都合(政府や電力会社にとって)の良いデータでだまされているものか?
難しい言葉や、科学的説明に、良くわからないので「専門家に任せておけば!」と言う事なかれ主義の結果が、重大な結果を招いているんですね!
重大な事故が起こっても、お偉いさんでなく現場の働く人が犠牲なって対処すれば大丈夫なんだと言っているわけですね!