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19.現場作業員が修復に当たる際の最大放射線量は250ミリシーベルト

高レベル放射性廃液の蒸発乾固の事象について、様々なことを一応検討していますが、現場作業員が修復に当たる際の最大放射線量は250ミリシーベルトを超えないということになっています。

 福島の原発事故の時に、なんか間違って作業員が水溜に足を突っ込んで270ミリシーベルトの被曝をしたことがありました。この福島の原発事故が起きて以降、世界基準で実は修復作業の方は1000ミリシーベルト迄被曝するということをしても拡大の防止を防ぐんだということになっているが、日本では250ミリシーベルトまでとしようと決まったのでした。

 通常では原子力施設の作業員は5年間で100ミリシーベルトまでの被ばくが許されていますが、どうしても被曝しなければいけないということがあったよと言う時でも最大は1年間で50ミリシーベルト。普段は年間20ミリシーベルトとなっていたのです。これを定めているのが、ICRP(国際放射線防護委員会)で、原発の運転当初に比べれば、徐々に下がってきたのでした。ところが、福島原発事故で、ググット底上げがされたのでした。

 ですから、六ヶ所再処理工場で万一の事故があった時には250ミリシーベルトまでの被ばくが許容されることになりました。そのために日本原燃の社員から被ばくのリスクがあるということを理解して作業に臨むという誓約書をすでに貰っているということを、私が日本原燃との交渉の過程で聞いています。そういう覚悟のある人が日本原燃社員の中にいるんだな、ということを頭の中に入れておいてください。

 これが高レベル放射性廃液の蒸発・乾固の図です。高レベル放射性廃液貯蔵容器の中に配管が2本入っていて、その配管中を冷却水が循環して冷やしています。これを電動で行い、常時水を回して、高レベル放射性溶液の温度を60度以内に維持することにしています。仮に一本が機能喪失しても、一本で冷却機能を維持しますよということです。このような容器が1つだけあるのではなく、何カ所かに分かれています。

 これが仮に停電で動かなくなると高レベル放射性廃液の60度の温度がどんどん上がっていきます。その時には外から水を入れて冷やします。この建物は普段は人が入れないセルと言う構造で、説明書を見ると自動的に出来るとなっていますが、おそらく人が行って作業をするんでしょうね。

 そこから出た放射能が周りに出ようとするときには一応、可搬型廃棄フィルターもしくはヘパフィルターを通して放射能を減衰して、最後は主排気塔から出ていくのですが、150mの排気塔から出る時に、そこにこういう放水砲で水をかけて、放射能を叩き落すのだそうです。出来るんでしょうか。

 色がついていない放射能をいったいどうやって叩き落すんでしょう。黒澤明の「夢」という映画観た方いると思いますが、あの中で「色のついた放射能を発見して良かったが、こんなに沢山来たら逃げ場がない。どうしようもない」と言って、原子力科学者が海に飛び込み自殺するシーンがありましたね。こちらは色がついていませんが出来るんでしょうか?という状況なんですよということです。

 細かい話はともかくとして、この図を見ていただいて、一番怖いのはここなんだと理解してください。ルテニウムというのが発生して、これがたくさん出るので困りますよ、ということになっていたのですが、原子力規制委員会の審査員から「ここに乾固って書いてるんだけど、乾固って何ですか」という話になった時に、「乾固よりもこっちが大事でしょう」と言う話をして、一生懸命「乾固」を隠していたのです。

 その後、こんな図を出しています。「乾固」したら、「放射性物質の揮発」、「臨界」、「爆発」、「貯槽損傷」が起きるというのです。この中で、「臨界」は高レベル放射性廃液が核分裂反応を起こすことを意味していますし、「爆発」は高木仁三郎さんの指摘した1㎥の高レベル放射性廃液漏れよりはもっと被害が大きいイメージとなります。

 なお、「貯槽損傷」は高レベル放射性廃液のステンレス容器が溶けてしまい、セルの床に高レベル放射性廃液が溶けだすことをイメージさせますが、ステンレス容器の溶度は約1,500℃です。温度上昇は1,620℃まで上がるという図を日本原燃が示して、この120度上回ることを示しています。

 ただし、日本原燃の説明では、これは何も対策を取らない場合の想定で、セルの中を水漬けにするとか、適切な作業を行うので、ここまでの酷い状況にはなるはずがないと言って、原子力規制委員会も了承してしまった。

 つまり、六ヶ所再処理工場が大地震で壊れたり、大型航空機が墜落したり、十和田湖若しくは八甲田山が噴火して降灰が注いだり、某国からの弾道ミサイルが着弾したりして、手が付けられない状況になったら、「総員避難命令」が出されるだろう。そして、無人となった再処理工場では、自動発生的に高レベル放射性溶液が「蒸発・乾固」するということになる。しかも、何カ所かに割振りしている貯槽のそれぞれから、「放射性物質の揮発」、「臨界」、「爆発」、「貯槽損傷」が次々と起こっていく可能性が高いということである。そうなれば、恐らくは日本中に人が住む場所がなくなるのではないだろうか?

 所が日本原燃と原子力規制委員会はこのような事故が起きるはずがないと決めてかかっている。その結果、放射の放出の影響を過小に評価したがる傾向にある。

 ここで注目すべきは、ここが蒸発・乾固で、セルから、建物から放射能が出て、外部被ばく迄、内部被ばくもしますよと。この時どのくらいなの、ということで。外部被ばく1週間、ガンマ線等による外部被曝。

 蒸発・乾固の事故が起きたときに、5キロの範囲(六ヶ所村の原子力防災範囲は、再処理工場由来の事故に関しては半径5キロ圏内と定めている)のところで21ミリシーベルト/hくらいです。我が家が約30キロ離れてますが、2ミリシーベルト/hです。米軍基地と三沢市役所がその手前にありますから、被ばく線量が高くなります。この表を基に、被ばく線量の地図をわざわざ作りました。こういう形で広がっていきますよということです。

 ただし、この想定図は日本原燃の想定に基づく被ばく図であって、作業員が「総員避難」した後は、恐らくは日本中に人が住めなくなるのではないかと思っています。

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