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11.経産省と規制庁で附合しない数字

 2020年7月21日に行われた省庁交渉に参加して、経産省と原子力規制庁の職員に対して、使用済燃料を800トン処理した場合にプルトニウムはどれくらい出ますかと質問しました。 

 原子力規制庁の方は、資料によると7トン、モックス燃料にすると14トン(ここで言うMOX燃料はプルトニウムとウランの比率が約1:1。濃度50%で、約2週間程度の処理を行うと核兵器に転用可能ということを、国際原子力機関IAEAが認めている危険物質です。軽水炉でMOX燃料を使用する場合には、金属ウランで希釈してプルトニウムの濃度を約9~4%に希釈して使うのをプルサーマルと言います)と応えました。ところが、経産省の方の答は6.6トン。モックス燃料で13.2トンという答えでした。

 「なんで?これ食い違うじゃないですか」と尋ねたら、経産省の方は日本原燃からそう聞いたという話で、原子力規制庁は新規制基準の審査書類に載ってますよというのです。

 じゃあ、800トン再処理した場合のトリチウムの管理目標はいくらですか、と聞くと、経産省は今は15年保管後に再処理することになったので「9.7×10の15乗です」という答えでしたが、原子力規制庁は1.8×10の16乗で、単純に約2倍の差がある答えでした。

 福島原発サイトに貯まっているにトリチウムは、経産省の答えの10分の1だし、原子力規制庁の答えは約20分の一です。つまり、経産省は約10倍を流すと認め、原子力規制庁は約20倍を流すことを認めたわけです。しかも、福島原発サイトの方は、海水で希釈して約30年程かけて流すというのですが、六ヶ所再処理工場からは原液状態で流れることになるので、その影響は大きいのです。

 いすれにしても、同じく省庁交渉の場に出席していながら、答えが全然食い違っていて、聴いている方が混乱しましたけれども、平気でそのように言ってました。

 経産省の言う、プルトニウムの6.6トンについて、青森県紙である東奥日報の記者に尋ねてみたことがありますが、東京在住の記者が根拠を聴きたいと思って日本原燃に尋ねてもこの数字の根拠が明らかになっていないと言うのです。6.6トンを誰がしゃべったのかも分からない。ということで、公式的には私たちは7トンと言うことで考えていく必要があると思いますが、そんなあやふやな状況です。

 (後日談:最近の新聞報道等では、800t再処理して6.6トンが主流となっているようですが、いずれにしろ、年間800トンを再処理して見ないことには、どのくらいのプルトニウムを抽出できたかが分からないという方が正しいでしょう。しかも、年間800トンの再処理は、夢のお話のような気がしています。)

六ヶ所の稼働期間は40年?

 一番肝心な疑問として、操業40年という話を私たちはどうしても信じ込んでいて、年間800トンで40年稼働するので、3万2千トン再処理するのが六ヶ所再処理工場だという言い方をするのです。

 このことを疑問に感じて、交渉の度に関係者に「操業40年ですか」と聞くと、「いやそうでもないですよ」と言う答えが帰って来るようになりました。

 その理由として、「途中で定期検査などをするので、40年で終わるということでもありません」ということを日本原燃の人が言うのです。ちょっと私たちの計算の仕方が違うのかもしれなくて、もしかすると40年を超えても動かす気でいるのかなと思うのです。

 そうすると、例えば50年とかを考えると、むつの使用済核燃料中間貯蔵施設は受け入れから50年したらどこかに持っていかなければなりません。それで、リサイクル貯蔵の職員はいつも「六ヶ所再処理工場に持っていく」と言うのです。

 それに対して「六ヶ所再処理工場は40年しか動いていないんだから、その時は持っていくところないじゃないですか」とこちらから言うと、「いやあ、その時は発生源の電力会社に戻します」と言うのです。しかし、もしかしたら再処理工場が50年後も稼働している可能性が出てきたかなあと言う気がして、ちょっと不安なところです。

 これについては、これから公開質問などで確認していきたいと思います。

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