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10.再処理工場の致命的欠陥は

世界で最後の湿式再処理工場

 六ヶ所再処理工場の致命的欠陥はいくつかありますけど、まず、世界で最後の湿式再処理工場ということがあります。六ヶ所再処理工場は、仮に成功しようが不成功であろうが、その技術はどこにも継承するところがありません。原子力規制委員会の審査に6年半かかりましたが、原子力規制委員会の人たちも6年半付き合わされたぇど、その湿式再処理工場の審査技術を次の再処理工場の審査には反映できない。六ヶ所再処理工場に関わっている技術者もここで終わり。だからせいぜい40年ぐらいは付き合うかもしれないけど、その後の技術の継承はありません。

 もともとはフランスの再処理工場をモデルに作られたのですが、技術の肝心な部分はフランスがまだブラックボックスを持っていて、日本に全部渡していませんので、なんかあった時にはフランスから来てもらわなきゃいけないという、危うい技術です。

 ところが、新型コロナの感染蔓延で、何かあってもフランスから技術者がすぐには飛んで来れない状況が続いていますので、万が一の事故対応が完全には出来ていないことを、私たち国民は知らないでいるだけです。

 (追記:民間再処理工場の査察に深くかかわっているのが国際原子力機関IAEAですが、青森市内で総会を開催したことがある。その場で、IAEA担当者から、「私達はようやく大型再処理工場の査察技術を獲得したので、どうぞ再処理工場を動かしてください」との激励が寄せられたことがあるが、あれから10年以上経つのに、まだ動きそうにない。)


膨大な施設群の管理


 日本原燃のPRセンターに見学者用のパネルがあって、「こういう形で進めますよ」という風に展示がされています。使用済燃料を受け入れて、貯蔵を始めて、せん断、ここで硝酸溶液で全部溶けて流れていく。ここへ行くまでの配管の総延長が約1300㎞です。それで、重要な機器が約1万ヶ所あるんですね。そういうものが沢山ある行程が、大体18くらいの建物の中に納まっていて、建物の壁厚は1mちょっとあります。だから戦闘機がぶつかっても大丈夫。天井の厚さも1mくらいということで、戦闘機が落ちて来ても大丈夫だけれども、大型航空機が落ちてきたら分かりません、と言う話です。

 いずれにしてもこういうものが収まっている中で、過去に425トンの使用済み燃料を再処理した実績があります。当時、ガラス固化工程が上手くいかないために、全行程が停まった経験があります。こうした実績があるのですが、それから10数年経ちました。配管など手入れはしているとは言っているのですが、放射能除去作業などは出来ていないそうです。というのは、配管の中にたまっている放射能を取り除いてしまいますと、そこから錆が始まります。錆が始まるとまた大変なので、結局、中にゴミを置いた方がまだ錆びないという、とんでもない矛盾の話ですけれども、そういう状況で今いるわけです。


(追記:操業開始後に、溶液・廃液処理運転開始を優先的に行うのはそのためです。ここに、現状で約288㎏のプルトニウムを溜め込んでいることは、別な報告に示した通りです。また、211㎥の高レベル放射性廃液が貯まっているので、このうち100㎥程度をガラス固化してからせん断開始となっていますが、ガラス固化がクリアーできないとせん断開始に入れないので、事業者としても苦しい立場にあるのが現状でしょう。)


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