21年4月2日 デーリー東北3面
使用済核燃料再処理計画の変更を届け出 原燃、規制委に
日本原燃は1日、原子力規制委員会に使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所村)の使用計画変更を届出た。計画では2023年度に再処理を開始し、70トンのウランを再処理する。
使用済み燃料の再処理事業を担う国の認可法人「使用済燃料再処理機構」(青森市)の実施中期計画が、3月31日に経済産業相の認可を受けたのに対応し、原燃も計画を変更した。
計画によると、70トンのウランから0.6トンのプルトニウムを回収。06年に始まったアクティブ試験【試運転】で取り出した分も含め、プルトニウムとウランを1対1の混合した「プルトニウム製品」を1677 kg、ウランのみの「ウラン製品」を100トンそれぞれ生産する。
日本原燃の増田社長は、再処理工場の運転開始と同時に放射性溶液等の排出を行うと述べてきたが、具体的な数字をこれまで示してこなかった。それが今回明らかになったのである。
再処理で一番初めに行われるのが使用済燃料のせん断であり、それ以降は濃い硝酸溶液という形で、約1300㎞の配管中を回っていくのである。しかもそれを抽出してしまうと、配管が錆びてしまうので、これまで放射性廃液等を取り除く作業が行われてこなかった。
その結果、これから再処理する70トンの使用済燃料からは約0.6トンのプルトニウムと、約66.5トンの回収ウランが回収できる計算となる。その差分の288㎏のプルトニウムと約33.5トンの回収ウランが約1300㎞の配管中に貯まっているということになる。現在は、約6㎏のプルトニウムで核兵器が一個作れるそうなので、約48個の核爆弾に相当するものを配管中に貯めていることになる。しかも、核のゴミもたっぷり詰まっている。
再処理工場の運転が始まるとこの放射能等の除去作業が本格的に行われるが、重大事故発生の危険が高いので、再処理工場の運転計画を早期に中止決定した上で、慎重に作業を行う必要がある。
以上
Commenti