六ヶ所再処理工場がアクティブ試験を行い、約2年半掛けて約425トンの再処理を行ったことがあるので、その時の再処理実績を紹介しながら、それ以降に核のゴミが出ているので、その量も併せて紹介します。
使用済核燃料の受け入れ量、再処理量、製品、廃棄物の生産量(2021.2月末現在)
受入れ量 再処理量 在庫量
体数 ウラン量(t) 体数 ウラン量(t) 体数 ウラン量(t)
BWR燃料 9,829 約1,703 1,246 約219 8,583 約1,484
PWR燃料 3,942 約1,690 456 約206 3,486 約1,484
合計 13,771 約3,393 1,702 約425 12,069 約2,968
生産量
ウラン製品(回収ウラン) プルトニウム製品(MOX製品)
累計 約366トンU 約6,658kg
約425㌧を再処理して、製品が約370㌧。残る55㌧の核のゴミを処理すると、以下のゴミの量になるのだそうだ。しかも、核のゴミは増え続けています。結局は、再処理した方が核のゴミが沢山出るということを証明している。
放射性個体廃棄物の保管廃棄量 2021年2月末現在
放射性廃棄物の種類 当月の保管廃棄量 累計保管廃棄量
ガラス固化体 0(本) 346(本)
ハル及びエンドピース 0(本) 221(本)注1
チャンネルボックス及びバーナブルポイズン 0(本) 252(本)注2
雑個体廃棄物等 467(本) 49,696(本)注3
廃樹脂及び廃スラッジ 0(㎥) 47.2(㎥)
高レベル放射性廃液 約211㎥貯蔵中
注1:ハル及びエンドピースについては、1,000㍑容器の本数とする。
注2:チャンネルボックス、バーナブルポイズン、雑固化体廃棄物は、200㍑ドラム缶に換算。
注3:9,360本減少済み
特注1:基準地震動を700ガルに改めた。 特注2:原発での貯蔵1年間、再処理工場での貯蔵14年間とする案が田中知原子力規制委員から提案され、貯蔵期間を改めて申請して認可された。
過去に425トンを処理して、プルトニウム約6,658kgとウラン約366トンUが取り出されましたが、まだ約1300㎞の配管と数多くある貯槽の中に硝酸溶液の形で残っています。
そこに、新たに2021年3月 31 日に経済産業相の認可を受けたことに対応し、使用済核燃料再処理機構が発表した計画によると、 70 トンのウランから 0.6 トンのプルニウムを回収。2006 年に始まったアクティブ試験した分も含め、プルトニウムとランを 【試運転】で取り出した分も含め、プルトニウムとウランを 1対 1の混合した「プルトニウム製品」を1677 kg、回収ウランのみ「製品」を 100 トンそれぞ生産することが報道されました。
六ヶ所再処理工場ではMOXで抽出するので、70トンを再処理して出るプルトニウム約0.6トンを取り出すときに、約1.2トンのMOX製品となる。残る477kgのMOX製品が前の再処理した残り。つまりこの半分は、再処理工場内のプルトニウムですね。
また、分離工程ではウランとプルトの有無は別々に分離して、製品を取り出すときにMOX燃料溶液にしてから乾燥して紛体にするので、MOXの混合溶液の状態で配管の中に納まっている量は、そんなに多くはないと思います。
勿論、配管の総延長の長さ、機器の多さから考えれば、マフは相当に発生していると思います。もしかしたら、それを考量して当初の1%のプルトニウム量の精製量を段階的に減らしたかもしれません。ただし、この検証は、実際に再処理してからでないと数字は出てきませんが。
なぜ、日本ではMOX製品(再処理工場内ではプルトニウムの濃度が約50%)で取り出すかと言われれば、戦時中に核兵器開発をしていた日本に濃度100%のプルトニウムを持たせたくない事情があるのではないでしょうか。
再処理工場から出る核のゴミのうち、ガラス固化体と雑固化体を除けば、殆どの核のゴミの行き先が決まっていません。
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